日本アンテナだからこそできる正確な時刻の提供

地上デジタル放送から時刻情報を取得し
電波時計に届ける『時刻情報輻射器内蔵テレビ端子』
そして新たなソリューションへつなぐ開発

構成商品

  • 端子本体

    端子本体

  • 分配器

    分配器

  • ACアダプター

    ACアダプター

正確な時刻情報が求められている公共施設や官公庁などに電波時計向け受信システムは欠かせない存在です。
しかしその設置には多くの場合、大掛かりな工事が伴います。
当社の強みを活かしてこの課題を解決できないか、という観点から『時刻情報輻射器内蔵テレビ端子』が誕生しました。
その開発秘話についてご紹介いたします。

常に電波を送り出すために

『時刻情報輻射器内蔵テレビ端子』は、従来のテレビ端子の機能である「アンテナが受信した電波をテレビへ送る」機能だけでなく、「地上デジタル放送波に含まれる時刻情報を電波時計用の信号に変換し、電波時計に向けて輻射する」機能を持っています。
従来のシステムでは、テレビ端子に電源を供給する必要はありませんでした。しかし、時刻情報を電波として輻射するためには、壁面に埋め込まれたテレビ端子に常に電源を供給する必要があります。そこで、安定して電源を供給する仕組みとして、「屋内配線側の分配器から電源を供給する」という今までにない新たなシステムに挑戦しました。

テレビ端子の中にアンテナを組み込むという発想

『時刻情報輻射器内蔵テレビ端子』本体は、既存のテレビ端子の大きさや構造を踏襲しつつ、時刻情報の電波を輻射する回路やアンテナをどのように収めるかが大きな課題でした。
また、室内で使う物であるため、大きさだけでなくデザイン的にも丸みを帯びさせるなど配慮も必要となります。

これらの課題を解決するため輻射するためのアンテナは極限まで薄くして前面の張り出し部分を抑え、さらにデザイン性、組立てやすさ、耐久性にもこだわって関係部門や協力工場の意見を取り入れながら試行錯誤を重ねました。
その結果、市販の様々な取付枠やプレートにも従来のテレビ端子同様に取り付けられるようになり、新築物件だけでなく、既存の建物でも少しの機器交換だけで導入できる新たな電波時計向けソリューションが誕生しました。

信頼できるパートナーとの共同開発

「屋内配線側の分配器から電源を供給する」という新たな機能を取り入れたため、分配器も使用シーンを想定した形状に変更する必要があります。
設置個所として想定される、マンションのシューズボックスや情報分電盤などは大きさや奥行が様々です。工事業者様からアドバイスをいただきながら、最も厳しい設置環境や取り付け作業を考慮して試作を重ね、取り扱いのしやすさにこだわりました。

新たなソリューションに向けて

今回の開発では、従来の性能である不要放射対策など様々な開発課題がありましたが、中でも屋内配線側の分配器から電源を供給するという新たな発想は、当社が得意とする「電波をコントロールする技術」を活かせる幅が広がったことを意味する開発かと考えています。それは今回の『時刻情報輻射器内蔵テレビ端子』に限らず他の機器にも送電することで、今までのTV共聴の受動機器を中心とした信号伝送システムだけではなく、新たな機能を持たせたシステム構築を可能にするからです。

システム例

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【時刻情報輻射器内蔵テレビ端子】について動画でも紹介しています。

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