未知な世界「4K8K」への挑戦
テレビ視聴には、テレビはもちろんのこと、アンテナ、ブースターなど、様々な製品が必要。
その中でもブースターは、テレビを映す影の主役で、その役割は重要だ。
2018年から始まった4K8K放送は、地デジ化に次ぐテレビの規格を変動させる大きなイベント。
4K8K対応のブースターの開発はそれ以前から始まったが、
開発当時は4K8Kの規格すら決まっておらず、手探りの状態で始めざるを得なかった。
一号機の完成、
そして問題「熱」と「不要輻射」
「4K8K」開発当初は、規格が決まっていなかったため、営業と設計で唯一決めたこと、それは「当時考えられるスペックで最高のものを作ろう」というもの。完成した一号機は、その重さや大きさから、市場に出すにはまだまだ改良の余地があった。「小さく、軽く」を目指すためには構造をシンプルにする必要がある。しかし、ハイスペックなものをシンプルで小さな構造にすると、どうしても発生する問題がある。それは熱。

熱は製品の寿命に直結する。ブースターが壊れると、マンションや施設のテレビは映らなくなり、多くの方に突然迷惑を掛けてしまう。 マンションなどに取り付けた後のブースターは、年数を追うごとにほこりや粉塵の中で動き続けることになる。 放熱方法として、フィンを採用したが、いかに効率良く熱を製品外に逃がすかに拘った。 また、忘れてはならないのは、「不要輻射対策」。電波を運ぶテレビの周辺機器は、他の機器に影響を与えないようテレビの電波を閉じ込める必要がある。今後もますます飛び交う電波は多様化するため、他の電波を妨害しない高シールド化は必須。これも考慮に入れる必要がある。

市場からの声で生まれた「E407SS3」
小型化を目指した設計当初、まずはシャーシを作った。このシャーシ内に収めることができれば、市場が求める大きさとなる。一方で、伝熱面積を広げるために設けられる突起状の構造である「フィン」は、面積が大きければ大きいほど有効だが、シャーシの大きさが限界を設ける。また、部品レベルでも小型化が必要となる。シャーシにフィンを収め、且つ、部品を収めさらには不要な電波を封じ込めるために、毎月のように設計変更を繰り返してきた。その結果誕生したのが「E407SS3」だ。
「この「E407SS3」は、従来の製品と同じ大きさで、従来の製品があった元の位置に交換できるのが特長。また、高シールド化と省電力化は市場に出すためには必ず必要になる。それらを適えた製品を世に送り出せたことは、当社の自信になった。今後も市場の声を、当社技術者にフィードバックしていきたい。」と、営業責任者の熊野は語る。 設計を担当した岡元は、「市場に生み出し、それが受け入れられている結果となり、非常にうれしい。しかし、まだまだ改良できる点はある。スイッチの多さから扱いが難しいと思っている。このため誰でも扱える製品を作っていきたい。」と、市場の声を更なる製品化へ向けて真剣なまなざしを向けた。
商品スペック
摘要 :

