テレビ端子(壁面端子)の特徴と使い方
直列ユニット・テレビ端子とは
アンテナから送られてきた電波を、室内で取り出すための機器です。
配線の方式に合わせ、直列ユニットとテレビ端子があります。
送り配線方式には直列ユニット、分配(スター)配線方式にはテレビ端子を使用します。
直列ユニットの中間用は入力端子(IN)と出力端子(OUT)があり、送り配線の中間に付けられます。
端末用は入力端子(IN)しかなく、送り配線の終端に付けられます。
端末用には入力端子側へ電波が反射しないように、75Ωの終端回路が入っています。
その分、テレビ端子よりも挿入損失が多くなります。
分配配線方式は、アンテナで受信した信号を「分配器」で等配分し、テレビの接続口を設ける配線方式です。
損失が少ないため端末レベルが確保できることや、メンテナンスが比較的容易なことから現在主流になってきています。
テレビ端子(壁面端子)の種類
端子数の違い
1端子型
1ユニットに1つ、テレビコンセント端子を持つタイプの テレビ端子(壁面端子)です。
2端子型
1ユニットに2つ、テレビコンセント端子を持つタイプの テレビ端子(壁面端子)です。
内部的に2分配されているため、1端子型より端子電圧レベルは減衰します。
テレビ端子(壁面端子)の使用方法
送り配線方式
分配(スター)配線方式
①直列ユニット(中間用)
入力端子に入力された電波を、テレビコンセント端子に出力しつつ次に繋がる直列ユニットにも送るタイプの直列ユニットです。
送り配線系統の中間で使用します。
テレビコンセント端子の出力は、分岐出力となり、出力端子と比べて少し弱くなります。
②直列ユニット(端末用)
直列ユニットを使用する場合の端末に使用する直列ユニットです。
内部的に直列ユニット(中間用)と同じ構造ですが、出力端子がありません。
電波の反射を防ぐための終端抵抗が内蔵されています。
テレビコンセント端子は中間用ユニットと同じぐらい弱くなります。
③テレビ端子
入力端子に入力された電波をそのままテレビコンセント端子のみに出力するタイプの端子です。
主にスター配線で使用します。
直列ユニットとは違い、テレビコンセント端子の出力はほぼ弱くなりません。
テレビ端子(壁面端子)電流通過の違い
例1 (送り配線方式)
例2 (送り配線方式)
①電源挿入型
電源を必要とする機器用の電流を、テレビコンセント端子に入力して入力端子から出力するタイプの壁面端子です。
部屋内から上流側の機器に電流を送電するときに使用します。
出力端子には、電流を通過させる機能はありません。
②電流通過型
電源を必要とする機器用の電流を、出力端子に入力して入力端子から出力するタイプの壁面端子です。
下流側から供給された電流を上流側に送電する際に使用します。
テレビコンセント端子には、電流を通過させる機能はありません。
③非電通型
電流を通さないタイプの壁面端子です。
テレビコンセント端子や出力端子に電流を入力しても、
上流側に送ることはできません。
BL規格品や直列ユニット端末用タイプは非電通型です。
スイッチ付タイプの違い
スイッチ型の信号の流れの例
①CATV上り信号カットスイッチ型
テレビコンセント端子にCATV上り信号の帯域の電波を、カットすることができるスイッチを備えた壁面端子です。
CATV上り信号帯域に含まれる不要な電波(雑音成分等)を止め、CATV局に不要な信号や雑音が集まらないようにするために使用します。
スイッチを切り替えれば、入力端子にCATV上り信号帯域の電波を通過させることもできます。
また中間用ユニットの場合は、スイッチの状態に関係なく出力端子に入力したCATV上り信号の帯域の電波を入力端子へ通過させます。
CATVを導入している集合住宅で主に使用します。
②スイッチ無し型
CATV上り信号の帯域の電波カットスイッチを持たないタイプの壁面端子です。
CATVを使用しない、雑音成分を抑える必要のない住宅で使用します。